自営業を営む私の友人が、仕事の配達中に信号待ちをしていた際、脇見運転のトラックに追突される事故に遭いました。車は大破し、友人も腰椎捻挫と診断され、約4ヶ月間の通院を余儀なくされました。
彼が最も困ったのは仕事です。個人で動いているため、自分が動けない期間は売上が激減します。相手の保険会社にそのことを伝えると、提示された休業損害は、1日あたり6,100円という非常に低いものでした。彼は、これでは店を畳まなければならないと途方に暮れていました。保険会社は確定申告書だけでは、事故との因果関係や正確な損失が証明できないと冷淡な態度でした。
業を煮やした彼は、交通事故に強い弁護士に依頼をしました。弁護士は過去3年分の確定申告書だけでなく、事故前後の受注状況や帳簿を詳細に分析。事故によって失われた利益を論理的に算出しました。
その結果、保険会社が主張していた1日6,100円という一律の基準を覆し、彼の実際の所得に基づいた1日あたり約15,000円の休業損害が認められました。さらに、むちうちの症状が完治せず、通院期間が長引いたことによる慰謝料についても、保険会社独自の基準ではなく弁護士会基準での請求が行われました。最終的に、示談金全体では当初の提示から300万円ほどアップして決着。彼はその資金で新しい配送車を購入し、無事に事業を再開することができました。
個人事業主にとって、交通事故による休業は死活問題です。しかし、保険会社は可能な限り支払いを抑えようとするため、自営業者の所得を過小評価しがちです。書類の準備や法的な主張は、素人には非常にハードルが高いですが、弁護士に任せることで、本来受け取るべき正当な補償を確保できます。事業を守るためにも、事故に遭ったら即座に弁護士に相談することが、最も確実な防衛策だと言えます。