朝の仕事で忙しくしていたときのことです。
母から電話がありました。
私の職場に電話をするのは珍しいことだったので
驚きました。
「高校生の自転車とぶつかった、右腕を骨折したから
病院に運ばれるところなの」と言います。
電話から救急車のサイレンの音が聞こえて来ました。
私は職場の上司に事情を話し、早退させてもらいました。
病院に駆けつけると、ベッドで横たわっている母がいました。
右腕はポンポンに腫れています。
ぶつかったのは、自宅近くの交差点で、右側から高校生が
ぶつかって来たようです。
高校生は、無傷でしたが母は右腕の関節部分の複雑骨折でした。
手術は2日後に決まり、全身麻酔を施すと説明されました。
骨折の手術で全身麻酔とは驚きましたが、万が一手術中に
不測の事態が起こっても、了承するという旨の
サインをさせられました。
そして手術が始まりました。
3時間ほどかかり、無事に終わりました。
右腕を包帯で固定して、点滴を打たれ、母は麻酔で
深く眠っているようでした。
医師からの説明では、右腕にボルトを入れたので
1年後に再手術して、取り出すという流れでした。
自転車で接触しただけで、ここまで大事になるとは
思いませんでした。
1年間、特殊な器具を付けてリハビリに励みました。
少しづつ、腕を曲がるように誘導する器具でした。
値段は10万円ほどでしたが、仕事中の事故だったので
会社から労災で支払われました。
右腕は利き腕だったので、日常生活に支障も出ました。
1年間は、家族分担で家事をこなし何とか乗り切ることが
出来ました。
今は、すっかり治りましたが、右腕には大きな傷跡が
痛々しく残っています。